親になったら読んでおきたい本:子どもへのまなざし

これはやばい。 相当グッとくる。

いつも楽しく拝見させていただいている、
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
で紹介されていたこの本。

子どもへのまなざし
子どもへのまなざし


子供ができて、気づくと既に1年と4ヶ月もたつ。
まだまだ父親見習いとして、いつも悩み、日々後悔の連続。
だが、その反面、子供がいることでの喜びや感動も多くあり、
その両極端な状態に振り回されている自分がいつもいる。

まだまだ、いっぱいいっぱいで、余裕など全くない。

子育てに関する書籍やサイトなど、それこそ「くさるほど」出回っており、
・しつけは大事
・子供と一緒にいることが大事
・教育とは
などなど、どこもかしこも、「そりゃーわかるけどさ」という内容のものばかり。
いつも、読んでいて、見ていて、どこか消化不良を起こすものばかりだった。

そんな中、この本に出会えたことは本当に嬉しかった。

なんとなくわかっていたこと、全く知らないこと、そういったことについて、
ちゃんと納得がいく理由がついているのだ。

しかも、何か技術的な「こうあるべき」というような話ではなく、
とても人間的な、心の中の大事なところに、そっと大事なプレゼントを置いていってくれるような、
そんな理由がちりばめられている。

頭ごなしに、「こうするべき」ということは一つもなく、今の社会の状態を
ふまえた上で、親にはこうしていって欲しい、子供達のこれからのために、
そして、親自身のために、こうしていって欲しい、ということが丁寧に
丁寧に心を込めて書かれている(と、とても感じる)。

著者(佐々木正美さん)は、人間の乳幼児期は、建物で言う基礎工事に
当たる部分だという。

大人になってから、洋服を身にまとったり、何かの勉強をしたり
という部分は上に載せる箱に該当すると。

基礎工事がしっかりしていない建物はすぐに崩れる。
箱に当たる部分はいくらでもすぐに取り替え可能だが、
基礎工事を後からやり直すのは本当に大変だと。

だから乳幼児期に人間の基礎をしっかりと育てることが、その子の
今後のためにもとても大事なのだと。
そこがしっかりしていれば、後は子供が自分でちゃんと成長していくと説く。

なんとなく、分かっているような感じがするが、それもこの本を読むと
ウゥ・・と心の奥をぎゅーっと握られたような感覚に陥る。

スゴ本の方は、

「何をアタリマエな…」という方はこの本を読むと頭ガツンとやられる(私がそうだった)。

と表現されていた。とても納得のいく表現だと思う。


では、その基礎をしっかりと育てる、ということは何か。

人や社会を信頼すること

この信頼を育てることだと言う。

全てはここから始まる。
そして、乳幼児期の子供へ接することはこれにつきる。

子供の中で、誰かを「信頼する」という気持ちが芽生えない限り、
その子は誰をも信頼できなくなる。

知識や技術などは、後からいくらでも付け足すことができる。
でも、人や社会を信頼する、という気持ちを後から培うのはとても大変だ。

自分の意思をしっかりと伝えられない乳幼児期が、何かを訴える場合は
ほとんど「泣く」とか「だっこ」とか「おんも」とかの、非常に感覚的で
象徴的な行動が主だ。

そのときに、親には「全てを受け入れて欲しい」と。
子供が「受容されている」と感じるようにして欲しい、と。


仕事で疲れて、子供に振り回されて、夜寝ている中、深夜突然泣き始める子供。
毎日毎日続くこのことを「受けれる」というのはとても困難なことだ。

泣かなくなる方法は2つある。

1つ目は、「しつけ」と称し、「ほっとくこと」。
この本にもあるが、数日するとほとんど泣かなくなる。

2つ目は、毎回しっかりと子供の相手をすること。
数日すると、泣かなくなる、ということはないが、ある程度の期間を
すぎると、それは子供が安心するようになり、泣かなくなる。

前者は、「親の都合」で子供が「諦めた」ことにより泣かなくなったことを指し、
後者は、「親を信頼」し、「安心」したことにより泣かなくなる。

よくある育児書などでも、前者の方法を試してみて欲しいと書いているものが
結構多くある。

でも、著者は、それでは子供の信頼が育たないと訴える。

諦めてやらなくなるか、安心して満足してやならなくなるか。

その違いが大きいのだと。

そして、正直に言うと、我が家では前者の方法を取ってしまった。


乳幼児が訴えてくることには、どんなことも無視しない、それが大事だと。
可能な限りやって欲しいと。

一見すると、求めてくることを全てやってあげる、ということは
わがままな子供を育てる、と思ってしまう。

わがままな子供は、自分がやって欲しいことをやってもらっても、ならない。
信頼感が培われている子供は、相手をも信頼するため、信頼している人から
言われたことは、素直に聞くようになる。

逆に、親の都合で、しつけという名の下に、親が望むような行いを強要したり
子供が求めていることをやらない場合は、信頼感がなくなり、大きくなっても
自分が求めていることを、相手にも求め続け、それがわがままになる。

ここは多くの日本人が勘違いしている箇所ではないだろか。
(僕自身もそうだった)


そして、このように接するために、親に対して言っている箇所はここだ。
ここはスゴ本の方も書かれていますが、本当にグッとくる。

子どもは親を見て学ぶ
「幸せ」を学ぶ為には、親が幸せになっていないと、
子どもには何が幸せなのか分からない

だから

まずお母さんが幸せになって下さい
お母さんが幸せでないのなら、
子どもはどうやって「幸せ」を知ることができるでしょうか

事情により幸せな感情を持ちにくいようでしたら、
せめて、子どもと接するときはゆとりをもって安らいでいられるようにしてください

ダンナさんをはじめとするご家族は、
このことを胸において、お母さんをサポートしてあげてください

子供にとって母親しか出来ないことは本当に、ある。
この行為が子供へどれだけの安心感を与えられるか。

「まずお母さんが幸せになって下さい」

この一文は本当に意味深い。

子供が持つ信頼感。
それを持てるように、全てを受け入れる。無視しない。
親の都合で、子供に何かを強要しない。

そして、そのために、
「まずお母さんが幸せだと感じるようにする」


子供が生まれる前に、是非読みたかった一冊だ。



子どもへのまなざし
子どもへのまなざし